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第四十一回 森の温かな光

この作品は6年生が「ぬくもりの明かり」で表した作品です。「すてきな明かり」(日本文教出版 図画工作5・6下 p.26-27)を参考にしています。光を通す材料、さえぎる材料等自然の材料を組み合わせて、ぬくもりを感じる明かりを工作に表すものです。


 

 

 「工作に表す」で大切にしていること 

 

光を扱う題材は、高学年の子どもたちにとって、とても関心の高いものです。5年生では、鑑賞と造形遊びをする活動、6年生では、鑑賞と工作に表す活動を毎年行っています。

LEDライトの光が直進する特徴を生かすには、プラスチック段ボールは格別の材料でしたが、近年は地球の持続可能な材料として、「明かり」の材料を模索していました。

さらに工作に表す活動の、意図や用途があるものにも、自分の感じたことや思ったことなど、表しながら、構成の美しさを考えていってほしい、これも私自身の実践の模索が続いています。

そこで、今年は画用紙や身近にある自然の材料から、子どもたちが自分の思いに合わせて選択しながら、ぬくもりを感じる明かりをつくることを提案しました。

 

 

試しながら見つける表したいこと 

  

 さっそく子どもたちは画用紙を丸める、折って切り込みを入れる、薄い板材を切って組み合わせる、枝を束ねるなど自分が気になる材料を選び、いろいろ試して光の感じを確かめていきます。「これ、家で使える!」という声が聞こえきて、子どもたちがどんな活動を展開してくれるか、私は楽しみになりました。

 Aさんは八つ切の画用紙を折ったり曲げたりして光の感じがどう変わるかを試していました。ずっと1枚の画用紙だけで形を変えることを楽しんでいます。だんだん柔らかくなってきた画用紙を、Aさんは力をこめて、ぎゅっと絞りました。それを開いてできた紙の形や質感の変化を楽しんでいるようです。再びぎゅっと絞ってできる形をさらに変えて見るなど、画用紙の可能性を探っていました。

 

 次の週、Aさんは前時に表した、小さなたけのこのような形の作品を、しばらくの間、両手の平でそっと包み込むようにして、向きを変えたり、少し形を修正したりして見ています。きりで穴を開けて漏れてくる光、紙が折れ曲がって厚みを増した部分の柔らかい光などを感じながら、自分の形をつくりだしました。

 最後に、さんは薄い板材の中央を電動糸のこぎりでくり抜き、LEDライトが見えないようにして土台をつくりました。板に穴を開けて小枝も差しました。さらに一回り大きな板に厚手の和紙と雲竜紙を重ねて貼り、麻の繊維を散りばめます。その上に小さな角材をのせて作品を浮かせるようにして載せ、完成させました。

 

 

「森の温かな光」

 

 Aさんは「森の温かな光」というタイトルを付けました。

「土台はいろいろな材料で雪のイメージを表した。雪の冷たい、寒そうなところに、ぽっとあったかい光を感じる。」とAさんは話してくれました。

 

 白い画用紙1枚にずっとこだわり続け、平らな紙がどんどん形を変え、感触が変わっていくことを楽しみながら、自分だけの形や光の美しさを追求してつくりだしたAさんの「ぬくもりの明かり」です。

 こんな素敵な明かりが枕元にあったら、きっといい夢が見られるだろうなと私は思いました。

 


材料・用具

紙(八つ切画用紙、和紙、京花紙等)、枝、麻の繊維、身近にある自然の材料、シナベニヤ、LEDライト等 

《森の温かな光》(17×24×15㎝) 6生生 Aさん 
《森の温かな光》(17×24×15㎝) 6生生 Aさん