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Phase053:子どもの生活世界を軸にすると ー「いたばしじゆう研究作品展」の挑戦ー

 

以前ご紹介した、板橋区立教育科学館での「じゆう研究作品コンテスト」(記事はコチラから)。

今年度の受賞者とその保護者、審査員を「出展者」とした冬の企画展「じゆう研究作品展」が開催中です。

ただ自由研究作品を展覧するのではなく、企画展として様々なチャレンジをしています。

会期は今週末まで!お見逃しなく!

 

 

「第13回いたばしじゆう研究作品展」開催概要

 

名称:企画展「第13回いたばしじゆう研究作品展」

主催:板橋区立教育科学館

 

<第1期>

日程:2025年12月7日(日)~2026年1月11日(日)

会場:板橋区立教育科学館地下1階展示室

時間:9:00~16:30(地下展示室は16:00まで)

休館日:毎週月曜日、年末年始(12月29日(月)~1月3日(土))
※ただし1月5日(月)は開館

 

<第2期>

日程:2026年1月13日(火)~2026年1月16日(金)

会場:板橋区役所北館1階イベントスクエア

時間:板橋区本庁開庁日程に準じます。

休館日:板橋区本庁開庁日程に準じます。

 

(第2期は一部縮小した展示となります)


料金:無料

企画:清水輝大(板橋区立教育科学館)

デザイン:山口潤(PEAKS)

企画協力:第13回いたばしじゆう研究コンテスト受賞者、審査員

https://www.itbs-sem.jp/exhibition/special/2025specialexhibition/

 


 

以前の記事でご紹介した通り、子どもにとって真に自由な研究であるために、対象となるテーマを自由にしたら、こんなに多彩な受賞作品群になりました。

タイトルや本記事の参考画像だけみても、絶対見たくなるでしょう?

しかも、実物は本当にすごい熱量を孕んでいて、どの作品も期待を超えてくること間違いなし。

「子どもの作品展でしょ?」と舐めてもらっちゃあ困ります、自分で言うのもなんですが、「企画展」としてもめっちゃくちゃおもしろいです、断言します。

繰り返しますが、11日(日)までですよ!


 

 

「私も応募したい!」のために。「子どもを信頼しよう」のために。

 

さて、まずはこの企画展のポイントをご紹介。

 

 

①背景まで展示する

その作品は、多様な見えない要素によって成立しています。

本展覧会では、作品の背景にあるさまざまな要素を見える化しています。

どんな人が、どんな環境の中で、どんな視点や思いで制作しているのか。

作者やご家族の体温が感じられる状態で作品を展示することで、その作品に対し、より深く興味をもってもらいたい、ということを意識しています。

 

 


 

②1作品に対し1ブースを設置

 

・受賞作品 ・調査文献 ・参考資料 ・インタビュー映像(本人、保護者、先生など) ・ハンズオン ・等身大パネル


 

③出展作家とフリートーク「アエルバ」

出展作家が展示ブースに在廊し、自由にお話しすることができます。


 

「作品」が「人の手がつくりだしたもの」という存在に変わった時、いきなり身近な存在になる体験をされたことがある方も多いと思いますが、今回はそのような体験を通じて、子どもの来館者にも、大人の来館者にも、それぞれの感覚で身近に感じて欲しいと思っていますし、それをきっかけにして「実際の作家とコミュニケーションが生まれる」ということも標榜しています。

本当に、見にきて!(くどい)

 

 

子どもの生活世界で、興味の赴くままに

 

子どもたちが普段思っていること、考えていることを、「自由研究」という名のもとに、そのまま現出させようと試みました。

このことは大人にとってみると、もしかすると”子どもの生活世界”(華麗に領域を越境するドラスティックさや、自分の感覚に忠実なところから発生している生感、それらが複合的に絡み合うことで生まれるダイナミズム)のおもしろさを擬似体験することにつながるのではないかと思います。

そして、表現の便宜上“子どもの生活世界”と書きましたが、私は、このドラスティックさは本来すべての人間が先天的に持ち得ているものではないかという仮説を持っています。そして、大人になっていったとしても、いかにこの部分を失わないか、そのためには今の大人はどう振舞うべきか、ということに強く興味をひかれます。

その課題提起の意味でも、今回の展覧会は、ここを訪れるあらゆる人々にとって「ドラスティックさ」を追体験できる場にしたいと考えていたのかもしれないなあ、と振り返っているところです。

(大人がアイディアを指示してしまうと、多くの場合、途端におもしろくなくなってしまう、あの感じが起こるのはなぜか、を解明したかったのかもしれません。)

事実、ご来場くださった多くの大人の方々から、「ドキドキした」とか、「臨場感がすごかった」という感想をいただいていまして、そのような方はおそらくは、“子どもの生活世界”のライブ感を堪能されたんだろうと思います。

もしかすると、大人も、“子どもの生活世界”の住人になりたくなったんじゃないかなあ。

 

さあ、繰り返しになりますが、この“子どもの生活世界”の住人になれるのは、11日(日)16:00までです!!

板橋区役所で開催予定の第2期でもご覧いただくことはできますが、スペースの関係で縮小した展示になりますので、ご了承ください。

 

 

★板橋区立教育科学館の取組みは、板橋区立教育科学館のサイトhttps://www.itbs-sem.jp/でご確認いただけます。

 

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Author:清水輝大(しみずてるひろ)
1983年、北海道生まれ。
板橋区立教育科学館館長、ラーニングデザインファームUSOMUSO代表、武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所教育共創ラボ研究員。
青森県立美術館、はこだてみらい館、八戸ポータルミュージアムはっち、ソニー・グローバルエデュケーションなどを経て、現職。
図工美術教育の手法を援用し、創造的なSTEAM教育、プログラミング教育、探究学習などの実践研究を行う。