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第四十六回 えのぐとなかよし

2年生の最後に初めての水彩絵の具を使い、自分の色をつくったりかいたりすることを楽しむ題材「えのぐとなかよし」です。


 

 

えのぐと なかよし

 

2年生の子どもたちは、「楽しみ~」と言いながら、自分の水彩絵の具バッグを手に持ち、弾むような足取りで図工室にやって来ました。

子どもたちを側に集め、「筆洗バケツやパレットは、なんでこんな形をしているのかな。」と子どもたちと楽しく会話する中で、実際に子どもたちと同じ用具を使って演示しながら、題材を手渡していきます。子どもたちが、絵の具でいろいろためすことを楽しめるように、小さめの画用紙を用意しました。

 

 

絵の具に浸る 

  

 子どもたちは、水を入れて重くなった筆洗バケツをゆっくりゆっくり運んだり、チューブから出てくる絵の具の形に歓声をあげたり、固い筆先をつついてみたり、準備も一つ一つが新鮮です。

 真新しいパレットに並んだ12色をながめて、「どれにしよう」「黄色がすきだな」「いっぱい混ぜてみたいな」などとつぶやきながら、自分の色をつくり始めました。

 

 Sさんは、最初に青色をパレットにのばしました。筆先に水をつけて慎重に調節しています。そこへ赤と白を少しずつ足していくと、自分にとっていい色になったのでしょう。とてもいい表情で、画用紙にすうっすうっと心地よさそうに筆先でなめらかな線をかきます。私は「すてきな色ができたね~」と声をかけて、図工室を一回りしてSさんのところに戻ってくると、最初の線は消えていました。

 他の子どもたちは、2枚、3枚と小さな紙にいろいろためしていましたが、Sさんは最初の1枚にずっと時間をかけて、色を重ね続けていたのです。どれほど色を重ねたことでしょう。画用紙の表面が、ぽろぽろとなっています。私は「今、どんな感じがしているのかな」と尋ねると、さんは「オーロラ!」「さいごに、緑がはいって、オーロラになった!」と教えてくれました。画面の下には建物のようなものがかかれています。「美しいオーロラ!寒いところに住んでいる人たちなのかな」と伝えると、Sさんは「寒いけど、毎日、すごいものを見ている!星もたくさん見られる。」と話してくれました。

 

 何度も何度も色をまぜることをためし、重ね続けて絵の具に浸りながら、Sさんにこのような思いがふくらんでいったことがわかり、私は嬉しくなりました。

 そしてさんは、作品にお話をつくってくれました。

 

 

「オーロラ」

 

オーストラリアで、クリスマスの日に大きいオーロラがあらわれました。

町中の人はむちゅうになって、きれいなオーロラを見つめました。

オーロラは、青、緑、黄色などといろいろな色でできています。

サンタクロースもトナカイもプレゼントをくばりおえると、

「オーストラリアで、見たこともないものを見ちゃったよ」とサンタクロースは言いました。

今日のオーロラはとてもきれいでした。


材料・用具:

児童:水彩絵の具

教師:演示する時に使う、児童と同じ水彩絵の具セット。画用紙(A4の半分程度のサイズ)

 

15×21㎝ 2年生 Sさん
15×21㎝ 2年生 Sさん

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